解決事例

#210年前に家を出て行った夫から離婚の請求を受けた離婚問題

事案

60代女性Bさん
離婚問題

10年前に家を出て行った夫から離婚の請求を受けた。
妻からは、夫が有責配偶者であることの主張をして離婚を拒否。
反対に10年分の婚姻費用の請求をした。

結果

婚姻費用については、10年分の請求は認められず、今回請求をした時点以降についてのみ認められた。
離婚については、調停が不成立となり、訴訟に移行した。第1審では夫からの離婚請求を棄却する判決が出て、第2審では1200万円の解決金の支払いを受けて和解による離婚をした。

ポイント

婚姻費用について
婚姻費用は、権利者から請求があったときを始期とすることが多いです。
Bさんは、夫が出て行った10年前に、一旦 調停を申し立てて請求をしたのですが、夫が調停に出頭しなかったため、取り下げてしまいました。家庭裁判所の審判では、これを請求とは認められず、高等裁 判所でも認めてもらえませんでした。Bさんは、10年前に弁護士に相談すべきでした、と悔やまれていました。

離婚について
離婚に責任がある当事者からの離婚請求については、裁判所は基本的には認めず、相当長期間の別居、未成熟子の不存在、相手方が離婚により苛酷な状況におかれないこと、という条件を満たす場合には認められることとなっています。
本件は、2つの条件を満たしたのですが、離婚によってBさんは夫名義の住居に住めなくなるなど苛酷な状況に置かれることを理由に、相当額の慰謝料等を支払わなければ離婚を認めない、というのが第1審の判断でした。
高等裁判所では、夫側から解決金を受けることで離婚を受け入れる和解をしました。

#1妻が子どもを連れて突然出て行き、離婚、慰謝料、財産分与を求めた事案離婚問題

事案

30代男性Aさん
離婚問題

妻が子どもを連れて突然出て行き、離婚、慰謝料、財産分与を求めた事案。
妻側が主張する離婚原因は夫からの精神的虐待。
夫は離婚原因を否定。

結果

離婚については応じたが、夫の慰謝料、財産分与の支払いは否定。
反対に、夫が妻から1000万円の解決金の支払いを受ける内容で調停が成立。

ポイント

妻側から離婚のみならず、慰謝料や財産分与など金銭の請求があった事案ですが、夫は離婚原因の存在そのものを否定していました。
最終的には、妻の離婚に対する意思が強いことから離婚については応じましたが、夫に慰謝料を支払わなければならないような理由がないことを主張し、慰謝料については支払わないこととなりました。
財産分与については、妻側から請求されていましたが、反対に、妻名義となっている夫婦共有財産の方が多いことを主張し、解決金という形で、1000万円の支払いを受ける内容で調停が成立しました。